リストラわいふ@ニュージーランド

恥をかきすて、見栄をすて、人生を楽しむことだけにフォーカスしている 【リストラwifeのリストラlife】をNew Zealandから熱くふんわりお届けします

第1楽章-4 ニュージーランド移民一家、キャッシュでお家をお買い上げ!~だってローンが組まれへんからー!

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ハンバーガーやさんにも、どこにでも置いてある「家、売ります」のフリーペーパー in ニュージーランド

 (この前のお話)

www.risutorawife-nz.com

 家を買おうと思ったら、まずはさておき「オープンホーム」に行くべし!

 ニュージーランドにも日本同様、家を探す方法はたくさんある。

不動産専門のフリーペーパーや新聞、広告などの紙媒体から、WEBサイト、FB、メールマガジン、オンライン広告などなど。情報は、オンオフどちらのラインワールドでもゲットできる。

 今じゃ、スマホひとつで、ご近所はもちろん、島中、国中、世界中の不動産をグーグルマップでみながら商談して「これ買っちゃう!」なんてこともできる時代。

ホンマ、すごい時代になりました。

 

がしかし、当時なんのコネもない私たちが頼りにできたのは、前者、オフラインの方法のみ。

 フリーペーパーやチラシ、ネット広告で気になる物件をリストアップして、不動産屋さんにGo!

そして、一件一件売主さんに(直接顔合わせしないように)留守してもらって家の中を見せてもらうか、あらかじめ設定している「オープンホーム」に通う方法が主流。

 「冷やかしじゃないのよー。ほんとに買うつもりで探してんの」
ってアピールできるし、そうすると「リストに載っていないけどこっそり売ってます」っていう物件を見せてくれたいするので情報量は断然多くなる。

そう。
家を買うなら、まずは、外に出て、不動産屋さんに「買いたいんだ!」と叫び、足を運ぶ。

これが第一歩。

 

ニュージーランド人は、とにかくよく引っ越しをする

結婚した、別れた、子どもが増えた、巣立った、と家族構成が変わるたびに、ひょいっとヤドカリのように家を売り買いする。なので、不動産屋さんはフルに大忙し。「一世一代マイホーム一戸建ての夢」という色は、日本ほど強くないので、不動産屋さんは、段ボール箱だらけで明らかに引っ越したばかりの家とわかるそこのポストにも、じゃんじゃん「家を売る予定はありませんか?」のチラシをはさんでいく。

 

私たちは、連日不動産屋さんに通い、地域、予算、間取りに見合う物件のアポを取って見て回った。

もちろん、オープンホームにも駆けつける。これが楽しい!

 「お値段高すぎでとてもとても手がでませ~ん」って物件でも、

「見たい見たい、見るだけタダねぇ」のノリで、いそいそと訪ねていく。

 家の造りはもちろんのこと、家具、リビングの装飾棚、壁にかけられた家族写真、寝室のシーツやカーテン、シャワールームのシャンプーとリンス、キッチンのたわし。

窓際で寝そべっている猫たち、などなど、そこに鎮座しているグッズのにおいを楽しんで家主たちの暮らしを思う。

お年寄りの暮らしは、とっても質素でアンティック。
部屋の隅に手入れされた植木鉢が品よく鎮座していて、それが、挿し木や種の苗床だったりして、その老人の丁寧な暮らしがうかがわれる。

赤ちゃんがいる暮らしは、雑多だけれどもあたたかい。
子ども部屋の壁紙から察するに女の子だな?

不動産やさん曰く、お揃いのベッドカバーとカーテンは、おばあちゃんの手作りなんだとか。

あぁ、ここは、横着ぼうずの男の子が3人いるな?
サイズの違うスニーカーが玄関先でとっ散らかっているもん。

ガレージの屋根に取り付けられたバスケットボール用ゴール。
毎日ここで、放課後にお友達と遊んでいるんだろうな。

おや? ここの住人は、共働きの若夫婦に違いない。
デザイナーズブランドのキッチン。インテリア雑誌から飛び出てきたような内装。
まるでショールームのようにぴかぴかで生活感はあまり感じられない。
揚げ物とかしないんだろうな、こういうキッチンじゃ……。

 とまぁ、その家々の「におい」をかぎながら、もしも私たちがここに住むとしたら、と思いを馳せるわけである。

 中には、「ちょっと、オープンホームなんだからさぁ、少しは掃除しといたら~? 」とあきれるほどに、そのまんま……の家もあったりして、それはそれで、ニュージーランドの気取らない国民性がにじみ出てるわ、と感心する。

 

大概、オープンのホームとしてオープンされる時間は、30~45分。

担当の不動産屋さんが家の前に看板もしくは旗を立て、リビングかキッチンて待機している。

 家主はその間お出かけ。45分後を見計らって買い物にでも出かけているのだろう。

 

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「この家は売れました!」の看板 in ニュージーランド

移民一家、気に入りのおうち、見っけ!

さぁ、そして見つけたおいしい物件。2件の候補が挙がった。

私たちが提示した条件は、
「中流の安全エリア」
「予算は15万ドル(約1000万円)」
(注:物価上昇により今ではそんな値段では買えません。現在は約3倍ほどします)
「3ベッドルーム」
「築年数は問わないが、手入れがされていて絨毯がきれいなところ」

 1件目は、「12万ドル」「3ベッドルーム、ただし各一部屋分が狭い」「老婦人一人の一人暮らしなのでとてもきれい」「敷地内に畑がありステキな池と橋のミニガーデンがステキ」「しかし、ちょっと治安が危ぶまれるエリア」 
……だからお値段が安いわけだけど。

 2件目は、「築30年だが住人が大工さんであるらしく、とてもきれいに手入れされている」「3ベッドルーム。どの部屋も広い」「庭に畑エリアアリ」「15万6千ドル」
「治安良好エリア」……だからお値段が張るんですけど。

どちらも、室内を土足で歩いている割には、絨毯が新しいのでふっかふか。

合格だ。

引っ越し前にクリーニングやさんを頼めば、ジャパニーズスタイルで暮らすことができるだろう。

 

よし、決めた!

少々予算オーバーだけど、子どもの通学を考えたら「安全エリア」は最優先すべき条件だ。

 

「不動産屋さん、私たちこの家買います!」

 

不動産屋さんは、早速オーナーに連絡をした。

家を買う=商談にあたっては、やはり安い買い物ではないので、
「はい、そうですか、まいどあり!」
と言うわけには行かない。

 他にも、2,3カップルがオファー(買います!と手を挙げ、値段を提示する)したらしく、次なるは、諸条件を照らし合わせた「交渉」の段階に入っていく。

私たちが心配していたのは、まったく「信用」を誇示できるものがなかったことだ。
銀行口座そこそこのお金こそあれ、まだクレジットカードも持っていない。
運転免許も国際免許証のみ。

 

そんな風来坊が、はたして家一件を買えるか?!

 

不動産屋さんは、いつから入居したいですか? 保証人はいますか? と聞いた後、

 「支払いは、どんな方法で?」とカンタにふった。

 私たち、自慢じゃないが、クレジットカード……もってない……。

 もってないから、正々堂々と言う。

 

「もちろんチェックで!」とカンタ。

 

「……えっ? つまりキャッシュですか?」と不動産屋さん。

 

「はい!」とカンタ。

(チェックで払うってことは、まぁ、キャッシュって言うんですかねぇ)とつぶやくカンタ。
 (あたりまえじゃん。新参モンはローンすらできへんの^。頼みは口座にある「現金」だけなのー、と私)

 

「That's cool!」不動産屋さんはそう言ってニヤけた。
そして、「おそらく、オーナーはあなた方に売るでしょう」と言った。

 

  ◇

 

なぜ、不動産屋さんがそんなことを言ったか……?

はい。ここで種明かし。

 ↓

「この家買いたい!」って人が複数あらわれた場合、その中から一組だけが諸条件を鑑みて選ばれ、売主との交渉権が与えられる。

その際に、一番選ばれるポイントは金額だが、その次に注目されるのがオファー側の「ファイナンス事情」……つまり支払方法。

 

たとえば、

1・「今住んでる家が売れたら買います」

2・「銀行から借りてローンで買います」

3・「全額即金で買います」

この3者が似たような金額でオファーがしている場合、売主さんは間違いなく3番の人を選ぶ。

なぜなら、
1番の人は「売れるまで買われへんやん?」となるし、
2番の人は「銀行が貸してくれへんかったら買われへんやん?」となる。
その点
3番の人は「おぉ。一番お買い上げに障害はない!いい客だ!」となるわけ。

 

 案の定、交渉権は、私たちに与えられた。

 

そして、交渉の結果……。

いやはや、生粋の大阪人カンタ、がんばりましたとも。

 

なんと6000ドルもカットして、切りよく15万ドルで交渉成立!

築30年の家は私たちのものとなった。

 

これで、弁護士への謝礼と引っ越し代が浮いた。

新品のソファーも買えちゃうかも?!

ばんざーい! 

 

住みかができた!!!

 

(第1楽章-5につづく)

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記念すべきキャッシュでお買い上げのマイホーム in ニュージーランド